[SQ-N100 のレビュー ]
LUXMANらしいシックで部屋の中に違和感無く溶け込むデザインがいい。
重量(11.5kg)はもう少し欲しいところ。
トーンコントロールを装備している点は拍手もの。
人間の聴力は、20歳以後に高域から低下していくので、中高年のユーザーは是非とも活用したい。
また、使用しているスピーカーが小型の場合など、低音不足を補うためにも有効だ。
ただ、つまみが上向きになっているのはやや使いづらい。
EL84管をウルトラリニア接続としたことで出力は抑えられたが、それが音質面では活きて真空管ならではの密度の高い中高域が魅力的だ。
低域はKT88管ほどの瞬発性はないが、真空管アンプとしては十分に出ている。
低域に不足感がある時はトーンコントロールを使おう。
ヴォーカルには真空管アンプならではの艶があり、特に女性ヴォーカルの色気にぞくっとすることがある。
楽器の響が美しく表現され、数時間聴いても聴き疲れしない。
オーケストラのトゥッティ部分の迫力表現には少し無理があるが、それ程気にはならない。
真空管アンプを購入する際に、カタログ記載の出力が同価格のトランジスタアンプに比べてずっと小さいことを気にする人もいるが、隣近所に迷惑になるような大音量で聴かない限り十分。
たいていは、大きな音でもせいぜい数ワット以下で聴いているのだから。
ただし、スピーカーの出力音圧レベルが80dB近い低能率の場合は要注意(85dB以上を推薦)。
スピーカーは1組のみ接続可。
CD入力端子1系統、PHONO(MMのみ)入力端子1系統、LINE入力2系統装備。
これ以外にプリアンプ接続端子があれば文句無いのだが。
同じ価格のトランジスタアンプでは得られない質感の音が真空管アンプにはある。
オーディオ機器の単なる数値上の特性ではなく、音楽を楽しむ事を優先する人にお薦めの機種だ。
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