原音に忠実な高音質録音を実現する“ARTIST-SYSTEM” パイオニア社が世界に先駆けて開発した“ARTIST(Advanced Real TIme Signal Tuning)-SYSTEM”は、MDレコーダーの録音技術を根本から見直し、より原音に忠実な録音を可能した高音質録音技術。 現在、MDは音楽信号を限られたデータ量に圧縮する必要があるため、録音時に「ATRAC」( Adaptive TRansform Acoustic Coding )と呼ばれる高能率符号化(音声圧縮)技術を使用している。この方式は、入力された音楽信号(以下、入力信号)を高域、中域、低域の3つの帯域に分割し、人間の聴覚特性を利用した最小可聴限界特性とマスキング効果に基づいてデータを整理し、録音している。 パイオニア社が新開発した“ARTIST-SYSTEM”は、高精度DSP(デジタルシグナルプロセッサー)を用い、マスキング特性をより積極的に可変制御する技術。入力信号をリアルタイムに周波数分析し、それぞれの帯域において常に入力信号に最適なマスキング特性を選択するよう制御している。例えば、入力信号に高域成分が多く含まれている場合は、高域の音楽信号に優先的に情報量を割り当てることで、原音により忠実な録音が可能になった。このように、限られたデータ容量を、入力信号成分の多い帯域へより多く配分することで、従来では切り捨てられていた微細レベルの信号をも逃さず、奥行感のあるクリアーな高音質録音が可能になった。 この“ARTIST-SYSTEM”を使って録音されたディスクは、従来のATRACとの完全互換性を保っており、ポータブルやカーステレオ等、他のMDプレーヤーでも、その高音質を楽しむことができる。